トレーニングジムデビューの日は近い

ジム

幼稚園からの幼なじみで、球技や陸上などメジャーな運動は俺もアイツも得意だが、勉強も俺と同じくらい奴もできず、好きな女の子もかぶり、結局俺より奴の方がより彼女に好かれてしまったという悲しい経験があるため、奴はいつでも俺の中でたんこぶのように存在している。相手も同じように俺を意識しているはずだし、好きなあの子は結局、奴には自分の気持ちを告白できないままで終わった。彼女の気持ちを唯一聞かされた俺が奴に伝えない限り、あいつが彼女の気持ちに気が付くことはなく、俺を下に見るということもない。俺たちは正真正銘のライバルというやつなのだ。

部活こそ水球部と柔道部に分かれたが、常にお互いを意識する毎日は変わらず、最近は相手の体格の良さが気になり始めた。水球部は女子にもてるやつが結構沢山いるくせに、実はなかなかハードなスポーツらしく、部員たちは日に日に二の腕がムキムキになってきた。奴も日に焼けた浅黒い肌と引き締まったウエストの下に小さな水泳パンツを履いて、多くの女生徒たちの視線を集めている。その点、柔道部は胴着を着ているから筋肉アピールはできないし、実際に俺は、そこまで筋肉がついていないので焦った。水球部の他の奴らに負けるのは構わないが、奴にだけは負けたくない。

そう自分に言い聞かせ、家で自己流トレーニングを始めたのだが、これがなかなかはまるのだ。元々、座学より実技。運動大好きな俺だから、勉強に行き詰った時などにちょっとした筋トレをするようにしたのだが、身体を動かすことで頭も活性化され、効果が表れてくるとますます夢中になってくる。

今は自己トレだが、トレーニングジムデビューの日も近いと思っている。

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