私の先輩は美容オタクだ。たくさんの種類の美容液やパックを試していて、洗顔にもこだわりを持ち、頭のてっぺんからつま先までぬかりなく管理している。もともと美人であるというのもあるけれど、やっぱりそういう日頃の努力が功を奏していて先輩はとてもきれいだ。
だけど、だ。とてもきれいなんだけど、年齢の割に肌にみずみずしさが無いような気がする。美容液などで保湿はしているはずなのに、肌そのものが渇いているような印象を受ける。失礼を承知で例えるなら、しなびたキュウリにニスを塗ってつやつや感を出しているような？どうしてなのだろうと思っていたら、先日その疑問が解けてしまった。先輩は美容に関してはプロ並みの知識を持っているにも関わらず、食事に関しては無頓着に近いのである。どれだけ外側からお手入れをしようとも、内側からの栄養が足りていなければ、せっかくの努力も泡となってしまうのに…。
一方で私は美容クリームも何も塗っておらず、せいぜい日焼け止めクリームを塗るくらいにとどめているのだが、私は年齢の割に肌艶がよい。というのも私は母親から食事の大切さをずっと教えられてきたし、何より食べることが大好きだからだ。ある日、先輩に「どうして○○（私）はそんなに肌がきれいなの？」と聞かれたので、「何もしてませんけど、毎日栄養を考えた食事をしているからだと思います」と答えた。具体的に何を食べているのか、と聞かれたので、「なるべくタンパク質は意識して摂るようにはしています」と答えたら、「タンパク質？コラーゲンじゃなくて？」と聞かれたので驚いた。私は先輩に「コラーゲンってタンパク質らしいですよ」と教えてあげたら、「そうだったの！？」と心底驚いていたので、私はそれに驚いてしまった。
それから先輩は食生活を変え、食事についても勉強を始めたそうだ。もともと努力家の先輩のことだから、きっともっときれいになっていくに違いない。
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